資格を取って心理カウンセラーになりたい人のための講座ガイド
国家資格である「精神保健福祉士」とは、どのような資格なのでしょうか。資格の概要や試験内容などについてまとめました。
精神保健福祉士とは、福祉系の国家資格として知られているものです。精神保健福祉の分野における専門的な知識と技術を生かして、精神に障がいを持っている人の社会復帰に必要な訓練を行うなど、手助けを行う精神科ソーシャルワーカーです。1997年に「精神保健福祉法」が制定されたことで、精神障がい者の自立や社会復帰を促進することになり、「精神保健福祉士」の国家資格が制定されました。
精神保健福祉士は、精神保健福祉に関する知識や技術を持っていることはもちろんですが、対人コミュニケーションのスキルも求められます。これは、患者を忍耐強く導くためには根気強さと冷静さなどが求められるためです。
精神保健福祉士と社会福祉士は名前が似ていますが、精神保健福祉士が対象とするのは精神障がいを持つ人のみ。対して社会福祉士は障がいを持つ人のほか、高齢者や児童など、非常に支援対象が幅広い点が大きな違いといえます。
精神保健福祉の試験は、年に1回行われており、2019年の試験では北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県の7カ所で実施されました。
試験科目は、「精神疾患とその治療」、「精神保健の課題と支援」、「精神保健福祉相談援助の基盤」、「精神保健福祉の理論と相談援助の展開」、「精神保健福祉に関する制度とサービス、精神障害者の生活支援システム」など16科目群用意されています。
受験料は、精神保健福祉士のみ受験する場合は17,610円必要。試験に合格した場合は、精神保健福祉士名簿に氏名などを登録し、登録証を受け取ることで精神保健福祉士として仕事ができるようになります。
精神保健福祉士の受験資格は下記のいずれかに当てはまる人、とされています。
精神保健福祉士としての就職先は、精神科のクリニックはもちろん、介護施設や就労支援事業所、保健所、ハローワークなどさまざまな候補が挙げられます。例えば就労支援事業所では、障がい者などが就職するためのサポートを行いますし、保健所では、健康づくりの拠点として市町村の職員への援助活動を行うことも。
また、社員のメンタルケアを担う存在として、一般企業への就職という道もあります。このように、精神保健福祉士は、幅広い分野で活躍が期待されている存在といえます。